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ヒトはヒトの上にヒトを造らず、とか。
人類皆平等、とか。
世の中には確かにそういった言葉が存在するけれど、実のところ、智樹はそんなモノ端から信じちゃいなかった。
この世界は不平等で出来ている、と言うのが、彼の十数年の人生の中で成り立ち確立した持論だった。
だって、そうじゃないか、と思う。
この世界のどこかには百歳まで大往生をした年寄りもいれば、生まれてすぐに死んでしまう赤ん坊だっているのだ。
これほどまでに生きている時間に差があるのだから、平等なんて言葉が正しいということなどあるはずが無い。
同じだけの幸せを味わって、同じだけの不幸を味わっているとは到底思えない。
だから思うのだ。
そうじゃないか、と……。
何より、智樹自身が平等という言葉に極度の嫌悪感を抱いていた。
それは彼の置かれている立場に拠るところが大きいのだろうが、しかし、智樹はそれが真実なのだと信じて疑わなかった。
平等?
馬鹿にするな、今のボクに、そんな言葉を聞かせるな……。

平沼美織(ひらぬま みおり)からの性的なイジメを苦に自殺を考えた中村智樹(なかむら ともき)は、
学校の屋上から飛び降りようとした瞬間、ふいに声を掛けられる。

「お前、死ぬんだろう? 捨てる命なんだったらワタシにくれよ?」
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背中から生えている、黒い羽。
ソイツは言った。

――――ワタシは悪魔だ。

「例えば、この平沼美織とかいう人間に仕返ししてやるってのはどうだ?」

智樹に提案してくる悪魔。
もしかするとこれこそまさに悪魔の囁きなのかも知れない。
けれども、今の智樹にはそんなことどうでも良くなっていた。
仕返しか、なるほど……。
悪魔「どうだ? 契約するか? トモキ」
悪魔に問われ、智樹は一瞬間だけ躊躇して、そして……。



リコ(悪魔)

自殺しようとした智樹に声を掛けた悪魔。
一見、少女のようですが背中に黒い羽が生えている。
「キシシ」と変わった笑い方をする。
いかにも悪魔らしいファッション。
智樹以外には見えない。
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「キシシ、いやあ、実はワタシまだ生まれたばっかなもんで、あんま、この世のこととか知らないんだよなあ」
「おい、お、ま、え……死ぬのか?」



智樹「……何を怖がっているんだよ?」
自分に言い聞かせるように、呟いてみる。
智樹「この世に未練なんてないじゃないか……」
こんな……。
こんな不平等な世界になんて……。

平沼美織(ひらぬま みおり)
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女子高生。
才媛才女の生徒会長(智樹のひとつ上)。
校内では誰も逆らうことが出来ない。
クラスメート(男)に犯されそうになっていた智樹を助けた。
屈折した恋愛感で智樹を束縛し、日々、性的行為を強要している。
智樹にしてみれば追い詰められるほどのストレスになっているが、美織はそのことに気付いていない。
ただでさえイジメのターゲットになりやすい智樹を守っているのも事実。
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「相変わらず素敵な声を出すよね、智樹は……。女の子みたいな可愛い声……♪」
「愛してるわ、私の智樹……」


智樹「ボクにはもう、これしかないんだ!」
智樹は覚悟を決めて、手すりを力強く握り締めると、足を掛け、一歩目を踏み出した。
予想していた通り、さほど苦労することなく手すりの外側に着地する。
けれども、地に足が着いた途端に自分でも驚くほど身体が震え出す。
……怖かった。





ここからあと数センチでも足を進めれば、それだけで智樹の身体は重力に従い、はるか下方の地面へと叩きつけられてしまうのだ。
痛いんだろうなあ……。
弱気になりかける己の心を何とか保ちつつ。
さて、と。
智樹は考えた。
こんなとき、普通ならどんなことを思うんだろう?
家族のこと?
友達のこと?
あるいは……。


eaaより10月13日
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